アミタ(株)キユーピー(株)と味の素(株)が取り組む 「使用済みマヨネーズボトル回収の実証実験」に参画
アミタ株式会社(以下アミタ)は、幹事を務める「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」(以下CLOMA※1)のワーキンググループ活動における「使用済みマヨネーズボトル回収の実証実験の取り組み(以下本プロジェクト)」に参画しています。
本プロジェクトでは、使用済みマヨネーズボトルの資源循環に向けて、実施主体企業であるキユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:髙宮 満、以下キユーピー)と味の素株式会社(本社:東京都中央区、取締役 代表執行役社長 最高経営責任者:藤江 太郎、以下味の素)が7月1日より、イトーヨーカドー溝ノ口店(神奈川県川崎市)にて分別回収を開始し、水平リサイクル※2の技術検証に取り組みます。
アミタは、本プロジェクトの参画企業間の連携推進に向けた全体統括役ならびに複雑な廃掃法に関する知見の提供・アドバイスを担います。
1.本プロジェクトの意義
CLOMAは、海洋プラスチックごみの問題解決に向けて、業界の垣根を越えて経済界全体としての活動を企画・推進し、官民一体となって素材を通じた持続可能な発展を推進することを目的に設立された企業アライアンスです。
2022年より「マヨネーズボトル 水平リサイクル検討チーム」が発足されました。国内のマヨネーズボトルには、主にポリエチレン(以下PE)というプラスチック素材が使用されています。PEは食品包装に多く使用されていますが、素材の種類や他素材と複合しているものが多いことから、飲料PETボトルに代表されるような水平リサイクルの仕組みが社会的に実装されていません。水平リサイクルを実現するためには多くのデータを収集し、技術的な知見を集め、評価の仕組みを構築する必要性があります。
本プロジェクトでは下図のように、使用済みマヨネーズボトルを回収し、回収状態・品質・量などを確認した上で、資源循環の実現に向けた技術検証を行います。また、本プロジェクトでは、家庭内で事前にボトルの洗浄を行っていただいたものを回収する仕組みです。地域住民の方々に、ごみではなく「資源」を持ち込むという意識変容を促し、品質の高い資源の回収量獲得に向けた検証も併せて行われます。
マヨネーズボトル水平リサイクルのイメージ
(キユーピーおよび味の素のプレスリリースより引用)
実証実験の詳細(回収場所・対象・方法等)は、キユーピーおよび味の素の下記プレスリリースをご覧ください。
キユーピー:https://www.kewpie.com/newsrelease/
味の素:https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/
2.アミタの役割と参画背景
アミタは、2020年よりCLOMAに参画(現在は幹事企業)し、アミタの持つ動脈産業と静脈産業のネットワークを活かして、第3の立場として全体を俯瞰・統括し、参画企業であるリサイクル会社や素材メーカー、流通、自治体の業種・業界を横断した関係構築を促進しています。また、45年以上にわたる資源循環のノウハウやネットワークを活用し、具体的な廃掃法に関する知見の提供やアドバイスを行い、円滑なプロジェクトの推進に貢献しています。
アミタが展開する「MEGURU STATION®(互助共助コミュニティ型資源回収ステーション)」では、住民を起点にした品質の高いプラスチック資源の回収に向けた仕掛けやアイデアを繰り返し検証しています。そこで蓄積されたノウハウや知見を活かして、本プロジェクトにおいても品質の高い資源回収率の向上に貢献していきたいと考えています。
また、本プロジェクトを通して、マヨネーズボトルをはじめとした似た形状のプラスチックの回収実装に向けた潜在的な課題の発見、導入に向けた知見の獲得と施策の検討を行い、ひいては回収範囲の拡大につなげ、社会全体における資源循環モデルの確立を目指します。
※1 CLOMA:クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(英文名:Japan Clean Ocean Material Alliance)https://cloma.net/
プラスチック資源循環の未来像を通して海洋プラスチックごみ問題の解決を目指す企業アライアンス。国や自治体、生活者などと連携した社会イノベーションを活動の基本としている。(2024年6月3日現在:会員 505社・団体、オブザーバー 24団体・自治体が参加)
※2 水平リサイクル:限りある資源を有効に使用するため、使用済み商品の容器・包装を原料として循環させ、再び同じ種類の商品容器・包装を製造すること。